ふだん歌っている時に、どんな飲み物を飲んでいますか?
ボイストレーニング、カラオケなど歌うシーンによって飲み物も変わってくると思います。
何気なく飲んでいるその飲み物、飲み方、実はノドに良くないかも知れません。
今回は、ノドのケアに関する飲み物についてご紹介します。飲み物も歌がうまくなる方法のひとつなのです。
目次
◆喉の構造
喉には、空気が通る気道(きどう)(呼吸器)、声をつくる発声器(喉頭)、飲み物、食べ物が通る消化管(食道)という3つの重要な器官があります。
本来は食道(消化器)を通るべき飲み物が誤って気道に入るとむせてしまうように、3つの器官は近い場所にありながら異なった働きをしています。
声を出す声帯と飲み物が通る食道、呼吸のための気道は喉という狭い場所にあるため、密接な関係にあります。
飲み物を変えるだけで、カラオケが上手くなる方法もあるのです。
◆カラオケが上手くなる?飲み物
カラオケでの飲み物といえば、お酒だったりジュースだったりします。
お酒の飲めない人はウーロン茶を頼む事もあるでしょう。実は、このウーロン茶には脂肪や油を分解する働きがあります。そのため、喉の油分を除去し、声の調子が悪くなるという人もいます。
しかし、先述の通り、ウーロン茶を含め飲み物が通るのは食道、声を出すのは発声器である咽頭ですから、直接声の調子を悪くしたりやカラオケが上手くなる飲み物という訳ではありません。
声も空気の振動ですから、肺から上がってきた息が気道と喉の奥を通り、口から発声されます。
ボイストレーニング経験者ならお分かりだと思いますが、声は喉、お腹含め体全体を使います。このため、喉の奥を通る時に、ウーロン茶で油分が除去された喉を通る際に声に影響が出るのです。
また、ウーロン茶にはコーヒーと同様にカフェインを含みます。
カフェインの利尿作用により、体内の水分が減少します。そして、カフェインには、声帯などの粘膜に対して刺激が強い面もあります。摂り過ぎには注意が必要です。
◆アルコールにも要注意
アルコールにも利尿作用があります。
また、気分がハイになって力んだり歌い過ぎたりして、喉を傷める事もあります。
飲み過ぎによる全身の脱水症状は、喉も乾燥してしまって炎症を起こしやすくなるので、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。
◆ジュース、炭酸飲料でカラオケが上手くなるか?
ウーロン茶、アルコールは喉に良くない事がお分かり頂けたと思います。
では、ジュース、炭酸飲料でカラオケが上手くなるのか?または、歌がうまくなる方法になり得るのでしょうか?
答えから言うと、ジュース、炭酸飲料も喉に良くありません。
まず、ジュースに含まれる糖分が体の浸透圧を乱し、水分を排出させます。過度の摂り過ぎは脱水症状に繋がりかねません。
炭酸飲料は、お腹が膨れてしまい、力が入りにくくなります。声は全身を使って出すものなので、お腹に力がないと出せません。
◆喉にベストな飲み物は?
では、歌がうまくなる方法に最適な飲み物とは何がいいのでしょう?
ズバリ、水です。
それも常温の水が一番です。
氷入りやキンキンに冷えたペットボトルの水は、身体を冷やし喉を緊張させるのでボイストレーニング中には不向きです。
出来れば、ミネラル分の少ない軟水がベストです。
軟水は体内に長時間留まり、水分補給に有効だからです。
歌っている最中はもちろん、ボイストレーニングが終わった後のケアとして常温の軟水やぬるま湯で喉を労わってあげましょう。
◆まとめ
カラオケが上手くなる即効性のある飲み物はありませんが、歌がうまくなる方法のひとつとして、喉のケアは重要です。
歌う際の水分補給、喉への刺激や温度に気を付けて下さい。ボイストレーニングが終わったら疲れた喉、声帯のケアも忘れずに。
喉を含め体のケアも歌がうまくなる方法です。