DTMerと呼ばれる人たちは、DTMソフトや周辺機器を使いこなして人間が演奏したかのようなトラックを創りだします。
プロの音楽制作現場でも「Pro Tools」、「Logic Pro」といったDAWでプリプロダクションにバッキングトラック制作にとレコーディング現場では、DTM、DAWは欠かせない存在です。
これからのDTMはどういう方向に向かうのか、今後のDTMの使われ方について考えてみました。
目次
◆ 現在のDTM
DTM、DAWはアマチュアでもプロに現場でも、バッキングトラックの制作、プリプロダクション、ライブでの同期演奏と多様な使われ方をされています。
DTMのひとつの機能、MIDI信号の作成を音源のコントロールだけでなく、ライブステージで照明を制御する技術があります。
既に20年以上前から導入が進んでいますから、プロのライブステージで音楽と照明がピタリと同期した演出をご覧になった事があるでしょう。
これもDTM(MIDI)の現在の姿のひとつです。
◆ 現状の問題点
DTMの問題点として「レイテンシー」の問題は避けられません。
信号遅延とも呼ばれるレイテンシーは、生楽器やボーカルをDTMで録音する際に特に気になります。
事前に録音(打ち込んだ)した音と今演奏している音がズレて(遅れて)聴こえる問題は、場合によっては録音作業の妨げにもなりかねません。
レイテンシーの原因はいくつかあります。
オーディオインターフェースのA/D変換性能、DTMソフトのバッファサイズ設定、プラグインの多用でもレイテンシーは発生します。
原因別に対策を講じる必要があります。
一つ一つの原因に最適な対策をとりましょう。
例えば、ボーカル録り時のレイテンシー対策なら、バックの演奏トラックをあらかじめ2トラック(ステレオ)にまとめてトラックダウンしておきましょう。
さらにオーディオファイルに変換してそれをモニターしながらボーカル録りすれば、レイテンシー回避になります。
◆ これからのDTM
パソコン、スマホなどデジタル機器の進化スピードは非常に速く、DTMも登場以来、ソフト面ハード面ともに進歩しています。
これからのDTM、DAWに期待される点をあげてみました。
・レイテンシーの向上
先述の問題は、DTMの登場以来、DTMerを悩ませています。
しかし、ハード面の進歩でmsec単位まで改善されています。
近い将来、人間の耳では解析できない遅延にまで解消されるでしょう。
・操作性の向上
DTMerにとってソフトの操作性の向上は音楽制作におけるストレス軽減に直結します。
ストレス軽減は、音楽そのものに集中出来る環境を作り、音楽性を高め、またDTMビギナーへのハードルを下げて音楽業界のすそ野を広げます。
より使い易いDTM、UIの向上が期待されます。
・人に同期するDTM
ライブ演奏において、DTM、DAWを使用する際、機材からのクリック信号を聞きながら演奏します。
つまり、人間が機械に合わせて演奏しているのが現在の形です。
テンポ、ダイナミクスも事前にプログラミングされたデータです。
将来は、人間のテンポをDTMソフトが検知し、機械が人間に合わせる事が可能になるかも知れません。
ライブでお客さんのノリ、会場の雰囲気に合わせて人間がテンポ、ダイナミクス、ソロ回しの回数を柔軟に対応し、機械がそれに反応する。
よりプレイヤーに寄り添ったDTMの発展が待たれます。
◆ まとめ
これからのDTMについて、現在の使用例、問題点からDTMに期待されるいくつかの例をご紹介しました。
進歩の早い分野ですから、今回あげた問題もこれから解決される日も遠くないでしょう。