はじめに、音楽界での活躍を目指す人たちの夢や希望が詰まった魅力的なボーカルスクール、音楽スクールオープンを目指すあなたへ。
現在スクールオーナーとして仕事をされているYさん(30代)の体験談をもとにアドバイスをまとめてみました。
現在のレッスンでで必要なカリキュラムや生徒が学んでみたいと感じる講師、スクールの詳細についてご紹介します。
目次
スクール運営で心がけていること
① ボイストレーナー資格について
ボーカルインストラクターやトレーナーになるための特別な資格は存在していません。
しかし、これらの専門養成学校などでトレーニングを積んだ人は、知識とスキルを得ています。
これらは大きなアピールポイントとしてプロフィールなどに書くことができ、生徒側らしても選択時のポイントになることは間違いありません。
ボーカルインストラクターやトレーナーの講師養成を目的としている学校は、基本的な知識や実践力だけでなく、指導時のコツが学べるので人気があるようです。
当然ボーカルトレーナーを目指し最終的に開業も考えている方には、ボーカルインストラクターやトレーナーの資格取得をおすすめします。
② 講師の経歴について
私は、音楽大学出身ではありませんが、開業して今に至ります。
私も最初は、音楽大学卒業ではない自分にコンプレックスや不安がありました。
実際に自分がスクールを選ぶ立場だった時に、講師の経歴を調べた経験があったからです。
でも私は逆にそれを払拭すべく、努力を重ねました。
もちろんボーカルスクールでの資格取得経験や個人的に指導した経歴など、自分の持つ強みである実践力をアピールするようにしていますし、音大での授業内容なども参考にして指導内容を工夫しています。
それでも音大卒業という肩書きが必要と感じたこともあったのは事実です。
特に開業当時は、音大卒業の講師を意図的に講師として雇って、私自身彼女から、たくさん学んだこともありました。
レッスンで何よりも大切なのは、初心者や生徒にとって、わかりやすく、納得でき、達成感が感じられる授業内容だと思います。
③ ボーカルスクール開業と運営の違いについて
スクールを開業することと運営することは異なる能力が必要とされることは想像に容易いかと思います。
実際に、音楽を教えた経験がない人が運営しているボーカルクールやミュージックスクール、カラオケ教室などは沢山存在します。
彼らは、ボイストレーナー経験や資格のある人を雇ったり講師として招くことで、魅力的で特色あるスクールを経営しています。
講師経験者や特別な講師、専門家を招くには、費用も掛かりますが、生徒側からすると重要なポイントになり宣伝効果も大きいようです。
④ 有名人の主催するスクールの実態
有名人が指導するのが謳い文句のスクールがいくつか存在します。
確かに生徒側からすると、信頼して授業が受けられる「将来は先生のようになれる!」とイメージし易く、集客力が高いのは事実です。
しかしスクール運営はレッスンだけでなく、指導カリキュラムの作成や成績処理、見積り、予算の計算など表に出ない部分での事務的作業も重要な仕事です。
それらのノウハウは専門家の力を借りたり、協同での経営がスクール継続のポイントになっているとも言われます。
ボーカルスクール開業で重要なこと
人気のボーカルスクールには秘密があるはずです。
既存の様々な学校を検索して工夫ポイントをピックアップし挙げてみました。
① 立地条件
歌や音楽を学ばれている人は、ほかの習い事に通っている人や仕事を持っている人、遠方から通われている方が結構多いです。
できるだけ駅の近くか、駅から離れる場合は、駐車場を完備するなど、通いやすい場所や設備のあるスクールであることは、生徒さん側からすると重要なチェックポイントだと言えるでしょう。
② ウェブサイト作成
開業にあって、一瞬にしてたくさんの生徒さんへ広告を届けることが可能なのはウェブサイトだといえます。
しかしそこには、情報が溢れているという落とし穴もあります。
少しでも多くの生徒さんの目に留まるように、以下に留意してウェブサイトを作成するようにしましょう。
生徒さんから見て、学校の特色や授業内容がわかりやすいこと。
明確な料金体制。
学校の施設設備だけでなく雰囲気や生徒や卒業生の声などがあると入学を決める判断もしやすいでしょう。
他にも無料の体験コースやホームページから簡単に連絡や申し込み、質問ができる仕組みがあると、集客力が上がると言われています。
③ 無料体験コース
無料体験コースやレッスンの設定する利点は、より多くの生徒さんたちに、そのスクールや講師の特色や魅力を体験して知ってもらえることです。
ウェブサイトでは伝わりきれない、授業の雰囲気や詳細、設備などを実際に体験することで、安心して申し込まれる生徒さんが多いです。
無料体験開催後には、申込者が急増するという学校も少なく無いようです。
④ 教材の選択
音楽スクールやボーカルスクールには、それぞれ異なる目標を持った生徒さんが入学されます。
歌手やミュージカルスターだけでなく、劇団員やアナウンサー、声優やオペレーターなど、様々です。生徒の目指す夢の実現に必要なトレーニング機器、機材を備え、それを特色としてアピールすると魅力的なスクールとして伝わりやすいでしょう。
⑤ 防音施設と個室練習設備の設置について
音楽スクールやボーカルスクールは、防音設備が整った場所で開業することが必要です。
そして、可能な限り、個別の練習ルームを設置しましょう。
特に初心者や入学当初は、安心して個人練習できるスペースを必要とする生徒さんが増えます、それを目当てに入学をされる方もいるくらいです。
生徒さんだけでなく、特別講師の方のプライバシーが守られるスタジオもあると便利です。
このように、練習ルームが複数あることで、事前に予約をして計画的にレッスンができるので、仕事をしながらスクールに通われている忙しい生徒さんからも人気が高まっているようです。
最近では、インターネットでスケジュール管理ができるシステムの需要も高まっています。
生徒が求める魅力的なレッスン内容について
いろんな生徒さんの実態と要望に応じたクラス設定とスクールづくりが必要です。
生徒さんはプロとして歌を学ばれる方から、趣味でカラオケを始めるような方まで、様々です。
実力やバックグラウンドも異なる生徒さんの希望に対応可能なクラス設定が必要です。
① カラオケが好きで入学された生徒さん向けのクラス
カラオケ採点で高得点を得るためのコツや、音程の取り方、音量などにターゲットを置いた指導内容が効果的です。
最近のカラオケ機器には、歌い終わった後の採点表示が付いているのでそれで盛り上がることも多くなっています。
この機械の採点方法は、歌声測定で音程が正しく取れているか?十分な音量が出ているか?などがメインなので、どんなに美しい声で歌ったとしても、スコアに現れないことが多いです。
このことからまずは、カラオケで音を外さないよう音痴を治すトレーニングや、聞く人にインパクトを与え印象付けるボイス効果(ハスキーボイスやウィスパーボイス、ミドルボイスなど)の使い方などが学べるようにしましょう。
このクラスはスクールの中では導入レベルのクラスになりますので、歌の楽しみを味わい、興味の幅を広げることも目標の一つとして設定することをお勧めします。
② 人前で歌う楽しさを味わい自信を持つことができるクラス
歌が得意で練習も熱心で意識が高いがゆえに、人前で歌うことが苦手だという生徒さんが多くいらっしゃいます。
彼らは、ステージに出ると実力が出せずにプロへの壁を自ら高くしてししまっている場合が多いです。
彼らの心理的なサポートをすることで自信をつける指導を行う必要があります。
プロとしての心構えや勇気を持って挑むためのコツなども学べる内容が良いでしょう。
最終的には、プロのオーデション合格を目指す人も出てくるので、講師、指導者、生徒が一丸となって目標達成に向けて学べる魅力あるクラス設定が必要です。
熱意がある生徒や講師、指導者が集まる、人気クラスになるでしょう。
③ 声や歌の仕事、プロを目指す生徒さん向けのクラス
プロを目指す生徒さん向けの音楽スクール・ボイストレーニングスクールは、ただひたすら歌や発声を練習するだけではありません。
声を出す身体構造の知識から、長時間歌い続けるための体力作り、正しい姿勢の習得など、様々な視点から魅力ある声の出し方に迫っていきます。
すでに、素晴らしい歌唱力を持つ生徒にとっても、改めて基礎を学ぶことは自分の成長も感じられる貴重な体験です。
このコースは、プロとしての実践力を養い、卒業後も、自らの力で技術を高めていけるようなレッスンを行います。
ゆっくり時間をかけて学ぶことが可能なので、安定した人気を誇るクラスでしょう。
まとめ
生徒にとって魅力的なボーカルスクールや音楽スクールとは何か?という視点を持ち続け、開業&経営をすることがとても重要です。
入学してくる生徒さんは、初心者からプロを目指す方まで実力もモチベーションも大きく異なります。
それぞれに応じたレッスンやカリキュラムを設定し、生徒が目標を達成できるようなスクール作りを行なっていきましょう。