歌がうまくなることを目標にボイストレーニングを受けている人のあいだで、高音域を綺麗に発声するにはどうしたらよいかという議論は多くされがちです。
しかし、低音域についての議論はあまり盛んではないように思います。
では低音域には魅力がないかと言ったら、そんなことは決してありません。
低音域について書いてみたいと思います。
目次
高音発声が困難なら、得意な分野を見つける
ボイストレーニングにおいて、「絶対に高音域が出せるようになりたい」や、「高音域が出せればそれでよい」という考え方は果たして正しいでしょうか。
これには少し首をひねってしまいます。
生理的にどうしても高音域が表声(裏声でない声)で出せないという人は、ボイストレーニングを受けている方々の中にいます。
これは特に男性に多いようです。
もしあなたが、高音の発声が困難で低音の発声のほうが得意な体質であるならば、低音を武器に勝負すべきと言えます。
人にはそれぞれ得意な分野というものがありますから、それを発見することもボーカリストには肝要でしょう。
お仕事であっても趣味であっても、同じです。
低音域の発声
低音域の発声はチェストボイスで行います。
主に胸部で共鳴させるイメージで、胸式呼吸と腹式呼吸が半々で交ざった発声方法になります。
少し高音の話をすれば、高音域の発声では、基本的に表声を張るのではなくファルセット使用となります。
もし高音発声が得意であれば、腹式呼吸で喉を開かせ、共鳴が出来る様になって、声が抜ける様になって、というのが高音域の発声テクニック習得のステップです。
低音域が得意な男性ボーカリスト
低い声の魅力を出せるボーカリストは沢山います。
はっぴえんどでデビューされた大瀧詠一さん、若い方に人気の福山雅治さん、2016年に亡くなられたデヴィッド・ボウイさんや、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーさんは皆、低音域の発声が得意な男性ボーカリストです。
彼らは、上手な低音発声を個性とし、高音はファルセットがとても綺麗です。
ファルセットは完全な腹式呼吸で、ボイストレーニングの全てを習得しなければなりません。
まとめ
もしあなたが高音域を苦手とし、自分にはセンスが無いとお悩みなら、低音域の発声に力を入れてボイストレーニングに臨んでみてください。
そしてその魅力を感じて頂きたいと思います。
高音ばかりを出せる人は少なくないのです。
その中にあって、低音の個性を打ち出すことも一つの形と言えます。