歌が好きでオペラも観てみたいけれど難しそう、何から観ていいかわからない…というひとも多いのでは?
高級なイメージもあって敷居が高いオペラですが、作曲された当初のヨーロッパでは庶民も楽しんでいた娯楽エンターテイメントのひとつなので、見慣れ、聴き慣れればどこまでも追及したくなる奥深い趣味になりますよ。
これを観ればオペラが好きなれる!はじめて観るのにおススメのオペラをご紹介します。
目次
1、はじめて観るにはどんなオペラがおすすめ?
太った歌手たちがドレスを着て「ア~~♪」と歌うイメージがオペラにはありますが、オペラはマイクを使わずに、3000人規模のホールや劇場で「ア~~♪」と特殊なテクニックで歌いながら、演技もする歌芝居なのです。
400年前にイタリアで生まれたオペラは、その後ヨーロッパ全体で流行し、日本も含め色々な国の言葉で作曲上演されて来ました。
そのため膨大な数の演目があり、有名でもストーリーが込み入って長かったり、音楽が耳に馴染まない作品も多く、はじめて観てピンと来ないことも…。
まずは舞台の録画ではなく、映画仕立てで撮られたDVDやYouTubeの動画から入るとわかりやすくておすすめです。
観る前に主要な登場人物の声種(ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトンなど)と、あらすじを読んでおくと、オペラをより楽しむことができます。
2、はじめて観るならこのオペラ3選
オペラのストーリーの大半は「恋愛もの」か「歴史・神話もの」で、「歴史・神話もの」にも恋愛が絡めてあるのが普通です。
わかりやすく感情移入しやすい「恋愛もの」オペラ2作品と、誰でも楽しめる子供向けの1作品をご紹介します。
1、ラ・トラヴィアータ(椿姫)
小説「椿姫」を原作とした、作曲家ヴェルディのオペラ「ラ・トラヴィアータ」は、1800年代のパリを舞台にしたイタリア語の作品です。
主役のヴィオレッタは、貴族たちが出入りするサロンをもつほどの高級娼婦。物語はヴィオレッタが若い貴族の男性アルフレードと出会う場面、有名な「乾杯のうた」からはじまります。
アルフレードから熱く真剣な愛情を向けられ、これまで恋愛をしてこなかった自分の心が揺り動かされ、とまどうヴィオレッタ。
こうした感情の高ぶりや揺れが「アリア」としてソロで歌われます。
その後、娼婦にたぶらかされた息子アルフレードを心配した父親のジェルモンが登場、ヴィオレッタは説得されて自分が身を引くことを承諾、ここからヴィオレッタは転落悲劇一直線に。
映画「プリティウーマン」で主役のビビアンが観て感動の涙を流したのが、この「ラ・トラヴィアータ」、美しいメロディで表現される悲劇にどっぷり浸りましょう。
2、カルメン
フランスの作曲家ビゼーのオペラ「カルメン」は、世界中で最も上演回数が多いといわれている作品で、1800年代スペインのセビリアを舞台に、煙草工場ではたらくジプシーのカルメンと、衛兵のホセのドロドロ恋愛模様が描かれています。
奔放なジプシー女性カルメンに本気で恋したホセは、許嫁のミカエラを捨て、衛兵を辞めてカルメンの仲間にまでなりますが、カルメンはホセをあっさり振って闘牛士・エスカミーリョを選び…。
劇中でフラメンコが踊られ、「闘牛士のうた」「ハバネラ」「セギディーリヤ」「ジプシーのうた」など、どこかで耳にしたことのあるメロディが流れる、オペラ「カルメン」は観どころ満載です。
3、ヘンゼルとグレーテル
家庭で我が子がお芝居をするためにフンパーディンクが作曲したのが、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」です。
森で迷子になったヘンゼル(兄)とグレーテル(妹)が、お菓子の家に住む魔女につかまり、焼かれてビスケットにされそうになりますが、機転を利かせて魔女を退治し両親に再会するというストーリー。
原語はドイツ語ですが、子供向けのオペラなので日本語ははじめ各国語での訳詞上演も多くされています。
ヘンゼルとグレーテルはメゾソプラノとソプラノによって、最近の公演では魔女はテノールによっても歌われます。
ヘンゼルとグレーテルのダンスシーン、神秘的な森の妖精たち、魔女の登場のシーンなど、大人でも楽しくなるメロディがちりばめられていて、子供だけでなくはじめて観るのに最適なオペラです。
3、まとめ
オペラ作品の多いイタリア、フランス、ドイツのはじめてでも楽しめるオペラを1作ずつご紹介しました。
DVDやYouTube動画、日本の劇場での公演では日本語の字幕がつくので、言葉がわからなくても大丈夫。
まずは、親しみやすい作品を何本か観て、オペラに慣れて、お気に入りの作曲家や歌手をみつけてください。