前回は、大人世代に向けた邦楽をご紹介しました。
今回はその続編として海外に目を向けて見ましょう。
ラジオから流れるメロディーに衝撃を受けたあの頃の若い世代へ、初めて聴いたときめきを取り戻して下さい。
目次
◆ピーター・ポール&マリー
Peter, Paul and Mary (以下:PPM)は1960年代にアメリカでデビューしたフォークグループ。
男女3人で巧みなコーラスワークを武器に「パフ」などヒット曲を連発しました。
後に反戦運動や公民権運動にも関わり、歌で主張するアメリカンフォークを代表するグループとなります。
度々来日公演を行い、日本でも多くのファンがいました。
また、世界中のフォロワーに影響を与え、現在プロとして活動している日本のミュージシャンたちもPPMの信者がいます。
彼らのコーラスは三人という編成を活かした厚いもので、メロディーを上下で補完するスタイルです。
このコーラスをコピーしようと、日本でも当時の若者は夢中になりました。
今でも、趣味としてPPMを歌っている人たちは少なくないでしょう。
デビューから半世紀を経ても、彼らの存在は大きなものとなっています。
◆Beatles(ビートルズ)
音楽を語る上で欠かせない存在、ビートルズ。
説明は不要でしょう。
彼らの登場により、自作の曲を自ら演奏し歌う、いわゆるバンドスタイルが定着したといっても過言ではありません。
世界中の若者がリッケンバッカーやヘフナーに憧れ、ギター、ベースを弾きながら歌う彼らに熱狂しました。
ビートルズもまた、コーラスが特徴的なグループです。
PPMと大きく違うのは、メロディーを上下で補完するだけでなく、サブメロディー(対旋律、カウンターメロディーとも)でメロディーラインをより引き立たせるコーラスとなっている点です。
「Twist And Shout」では、「ジョン・レノンが歌うメロディーよりもポールやジョンのコーラスの方が歌っていて楽しい」というアマチュアバンドもいます。
◆コーラスという事
コーラス、ハーモニーを練習するには、自分たちの歌っている様子を録音して、何度もチェックする事が大切です。
歌っている時は自分のピッチを合わせしょうと懸命になるのですが、全員がキレイにハモッているかどうかは、客観的に聴かないと分からないものです。
特にステージではモニターに頼らざるを得ず、各メンバーの音程や声量が適切かどうかは繰り返しの練習が必要となります。
◆ボブ・ディラン(Bob Dylan)
近年ノーベル文学賞を受賞した事で再認識されているボブ・ディラン。
プロテストソングと呼ばれる政治的抗議やメッセージソングを歌ったフォークシンガーで、日本でも吉田拓郎など多くのファンを擁します。
ギター弾き語りというスタイルで、日本の当時の若者に多大な影響を及ぼしました。
後にエレキギターでステージに上がった際には、観客からブーイングを浴びるほどだったといいます。
しかし、頑なに自分の音楽を貫く姿勢は、当時の時代背景もあり硬派なボブ・ディランのイメージを確たるものにしました。
彼の歌唱スタイルはメロディーを崩し、独特の節回しで語るように歌います。
歌詞をメロディーに乗せるのではなく、聴衆に叩きつけるかのような歌い方はロックシンガーに通じるものがあり、洋楽(ロック)は日本語になるのか、という問題提起もありました。
シンガーに留まらず、ソングライターとして「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」、「 Like a Rolling Stone」など今も歌われる名曲を生み出しました。
◆ダイアナ・ロス(Diana Ross)
近年では、「IF WE HOLD ON TOGETHER」が映画やドラマの主題歌としてヒットした事が記憶に新しい彼女ですが、1960年代からシュープリームス(The Supremes)の一員として「You Can't Hurry Love(恋はあせらず)」など名曲を残しています。
幅広い声域と様々なタイプの曲を歌いこなす表現力豊かなシンガーです。
彼女の歌を歌うなら、シュープリームス時代のポップな曲から始めると歌いやすいのではないでしょうか。
◆洋楽編・まとめ
洋楽からいくつかの代表曲をご紹介しました。
まだまだたくさんの曲があり、あの頃を懐かしむ方も多いと思います。
歌謡曲や演歌もいいけれど、たまには時代を思い出して名曲に挑戦してみてはいかがでしょうか。