リトミックは音楽を通じた情操教育です。
音楽を通じて子どもの心(マインド)、力(パワー)、性格(キャラクター)の三つの成長を同時に促す事がリトミックの目的です。
では、リトミックでは具体的にどんな方法で子どもたちの心(マインド)、力(パワー)、性格(キャラクター)を伸ばすのでしょうか?
リトミックの具体的な教育方法をご紹介します。
目次
◆心(マインド)を育てるリトミック
リトミックは単なる音楽教育ではありません。
ピアノの演奏技術や聴音、ソルフェージュなど将来音楽大学を受験するような子どものための習い事ではありません。
そのために、リトミックでは音楽に合わせて動くリズム、歌ったりするソルフェージュ、自分で創作する即興を重視します。
聞いた音楽の音程を正確に聞き取り、その場で自分の声で表現する事で音感が育ちます。
音楽を通じて「心(マインド)」を育てるために、「自分で創作する即興」が子どもにとって重要です。
聞こえてくる音楽に合わせて自分の身体で表現する身体表現がリトミックの特徴です。
一般的なダンスでは、音楽に合わせてみんなと同じ動き(ダンス)をする事が求められます。
リトミックでは、自分で考えた即興性が重視されます。
「自分で創作する」行為を通じて表現力や創作性が小さいうちから身に付くのです。
◆力(パワー)を育てるリトミック
リトミックでは「即時反応力」を育てます。
「即時反応力」とは「分かったことを分かったように表現する力」とリトミックでは定義しています。
音楽を聴いて、これは何を表現しているかを即座に理解し、理解した内容をその場で自分の身体で表現します。
教育はインプットとアウトプットを繰り返す事で定着します。
聴いた音楽「インプット」とその場での表現「アウトプット」をセットで学ぶ事で「即時反応力」が育つのです。
さらに、リトミックではひとりで創作・反応するだけでなく、周りの子どもたちと協力して表現する事も学びます。
周囲の子どもの反応を見て自分の反応に活かすといった高度なコミュニケーションスキルが育ちます。
グループでの表現を通じて思いやりや仲間意識、グループでの達成感など音楽のパワーを最大に活かした情操教育が出来るのもリトミックの特徴です。
◆性格(キャラクター)を育てるリトミック
楽器の演奏技術を育てる事が主眼の習い事と性格(キャラクター)を育てるリトミックでは根本的な違いがあります。
先ほどのグループでのコミュニケーションスキルや即興を創作するため、リトミックでは、知識教育と人間教育をセットで考えます。
知識教育を水、人間教育をコップに例えるなら、小さな子どもに水(知識)をたくさん与えてもコップ(人間)からあふれてしまいます。
たくさんの知識を吸収するには、大きな人間(コップ)を育てる必要があります。
リトミックでは性格・人間を育てるために、ほかの子どもと関わることで、社会性や協調性を促したり、音楽を聞きその場で表現したりすることで思考力や表現力、集中力がアップする仕組みがあります。
協調性や思考力がアップする習い事は他の音楽教育や英語などには見られない、リトミックだけの特徴と言えます。
◆まとめ
ピアノなど楽器演奏に特化する事なく、身体表現と創作、コミュニケーションスキルを養うのが、リトミックの教育法の種類なのです。
リトミックは、曲に合わせて体操(身体表現)や曲に合わせた手遊び、さらに年齢が上がれば楽器を自由に鳴らすなど、音楽を通して人間のコップ(器)を大きく育てます。
大きなコップ(人間の器)には将来、たくさんの水(知識)が入るようになります。
柔軟な性格を持つ小さな子どもにリトミックが有効な理由がここにあります。