「歌を上達させたい」と思い始めたら結果を出すために、ひたすら毎日、練習を繰り返す方が多いです。
さらに次第に、自分で練習するだけではもの足らずに感じて、ボーカル教室やボイススクール、カラオケ教室にまで通って技術を高める努力をされている方も多いです。
自己満足&自己完結だけでは、誰かを感動させるのはおろか、披露できる歌声には達することができないので、最初は、ある程度、時間やお金をかけて一定のレベルにまで引き上げることが必要で、それにはひたすら練習あるのみともいわれています。
この様な初期の段階でよく起こりがちな事が、声のかすれと喉の痛みです。これは喉が発する危険なサインでもあります。
目次
気をつけてほしい事
その1 歌っているときに喉が痛くなる場合
喉や声帯の開きについて:歌っているときに口を大きく開けている方は特にご注意ください。
ボイストレーニングスクールなのでは「喉を開いて歌いなさい」と言われます。
これは、喉や声帯を開けずに、口を大きく開けて歌う事が、喉の痛みを誘発することになってしまうからです。
特に高音=ハイトーンボイスと言われる音を出すときには、喉仏が上昇し喉が開かない状態になりやすく声が共鳴しづらい上に、負担も大きくなり喉の痛みが生じてしまいます。
この痛みを防ぐためには、喉や声帯を開いて、隙間を確保することが必要になってきます。
そのためには、「舌根(ぜっこん)」と呼ばれている「舌の根(の部分)」を下方向に移動できる様になる事が重要です。
ではまず、自分で意識して実践してみてください。
と言っても、私たちは普段、下の動きに意識をしていないので、ほとんどの方がおそらくこの下方向への動きは、できないと思います。
では「あくび」を思い出してください。あくびをしている間は、舌根が下方向に移動して喉仏が下がり、喉スペースの開き空間の広がりを感じる事ができると思います。
この状態でボイストレーニングを続けると、高い音、大きな音量など、出しにくかった声が思いもよらず簡単に出せる様になるのです。
よって、喉の痛みが生じなくなるという仕組みです。
その2 歌い終わった後に喉が痛いと感じる場合
久々に、カラオケボックスなどで一生懸命歌った次の日など。
喉が痛くなっていることに気づいた経験がある方が結構、多い様です。
これは体の筋肉痛と同じく、喉の筋肉の疲れから筋肉痛を起こしているだけなので時間をかける事で自然に直す事ができます。
しかし、歌い終わった直後に痛いと感じた場合は、先に述べた、のどの開きが完全ではないことと、腹式呼吸ができていない事が理由と考えられます。
特に、痛みが出やすい人は、(聞きなれない言葉ですが)胸式呼吸になっている事が多く、この状態は体全体に力が入ってしまって硬くなり疲れやすい上に、高音が出しにくく、歌声が伸びない。そして、のどの痛みが出やすいという悪循環に陥ってしまいます。
歌う時は、腹式呼吸という基本をマスターする事で、息の量を調整したり、ロングトーンやハイトーンボイスを出す事が可能になるだけでなく疲れにくいので長く、歌い続けることも可能になります。
その3 すでに喉を痛めてしまった方へ
歌の練習がしたいのに、喉を痛めてしまったときに、自分でできる対処法をお伝えします。
ボイストレーニングをされている方は、もうご存知だと思いますが、喉の健康に一番必要なことは、「加湿」です。
部屋の湿度は、常に最低でも40%以上を保ちましょう。加湿器がない場合は濡れタオルやバケツやバスタブにはったお水などでも代用ができます。
油断しがちな寝室にも気を配ることをお忘れなく。
そして、喉への刺激が強い食べ物、特に香辛料、とうがらし、アルコール、タバコなどは避けて、喉に良いとされる蜂蜜、大根おろし、生姜、などを積極的に取り入れる様にしてください。
まとめ
喉の痛みの原因は数種類あり、それぞれの対処方法が異なる事が理解していただけたかと思います。
普段の生活の中で、腹式呼吸や食べ物に気をつける事で大幅に発声がしやすくなったと言う声も聞かれます。
これらを実践されて、あなたの喉の痛みが1日も早く改善し、声質や歌が上達することを願っています。