年齢を重ねることで筋力が弱くなったり、体のあちこちに不調が現れたりすることが増えるかと思います。
そのため、「今までのように高い声が出ない」「もう歳だから練習しても歌は上達しないのでは」と考える人も多いようです。
ですが、年齢が上がるにつれて声が出しにくくなるということはありません。
歌は何歳からでも練習をすればうまくなります。
今回は、高齢の方にスポットを当ててお話させて頂きます。
目次
・歳をとると声が出しにくい?
高齢の方の中には、「体力が衰えてしまい高い声を出す力がない」「声帯も若い頃より弱っているのでは」と不安になる人もいるようです。
しかし、年齢を重ねたからと言って音域が狭くなる訳ではありません。
確かに体力などは昔の方があるかもしれませんが、歌うことはそこまで体力を要しませんので安心してください。
正しい発声方法で声を出せば、少ない力でも綺麗な高音を出すことができます。
若い時のことを思い出してみてください。
歌を歌うとき、力に任せて大きな声を出していましたか?
高い声を出すとき、喉に思い切り力を入れていましたか?
そんな歌い方をしていたら、若い人でもすぐに喉を痛めてしまうと思います。
正しい呼吸法や喉の使い方さえマスターすれば、楽に高音を出すことができます。
お腹から声をだして喉の開きを意識することで、遠くまで届く綺麗な歌声になります。
もしも歌うと体がどっと疲れる、喉が痛むという症状があるなら、力みすぎていたり間違った発声をしているからかもしれません。
若い、若くないに関係なく正しい歌い方を身につけることが大切です。
・70代の生徒さんのお話
ボイトレスクールに通う70代のAさん。
Aさんがボイストレーニングを始めたきっかけは娘さんに勧められたことでした。
スクールに通う前は、カラオケや合唱を楽しんでいました。イベントなどにも積極的に参加していたようです。
しかし、Aさんは合唱の時周りの人たちの歌がとても上手いことから少し自信をなくしており、控えめに歌ったりしていました。
そのことを知った娘さんに背中を押されて、ボーカル教室に通うことを決めたとのことです。
やはりAさんも初めは、ボイトレについていける体力があるか、本格的に歌ったことがないのに大丈夫なのか、などと不安を抱えていました。
最初のレッスンでは、不安から体が緊張して硬くなってしまったり、喉が閉まって上手く歌えない時もありました。
改善点を伝えてリラックスして歌ってもらったところ、高音の「ソ」の音が綺麗に響き渡りました。
本人もびっくりしていて、「力を入れなくてもこんなに高い声が出せるなんて」と感激しておりました。
その後のレッスンで、合唱の仲間たちから「声の質が良くなった」と褒められたことを話してくれました。
仲間たちにレッスンの内容をレクチャーしたり、合唱に行くのが前よりもずっと楽しくなったそうです。
Aさんは今もボイトレに励み、日々上達しています。
歌に年齢は関係ないということがお分かりいただけたのではないでしょうか?
・まとめ
何歳からでも歌は上手くなります!
「歌がうまくなりたい」という気持ちは、歌を歌う上で一番大切です。
この気持ちは、プロの歌手でもプロでない人でも若くても若くなくても皆同じです。年齢をハンデととらず、歌を心から楽しんでください。
正しい歌い方をマスターして、色んな音域の歌にチャレンジしていきましょう。