腹式呼吸は息を吸った時に胸からお腹がふくらみ、吐く(歌う)とへこむ呼吸法です。
腹式呼吸では、呼吸器官と消化器官を隔てる横隔膜が下がり、肋骨が取り囲む胸郭が前後左右へ広がることで、肺が大きく膨らみ酸素をたくさん取り入れることができるのです。
通常女性は反対に吸うとへこみ、吐くとふくらむ胸式呼吸をしています。
歌が上手になりたいひとは、日常から腹式呼吸に意識して変えてみましょう。
腹式呼吸で歌うことで腰痛・背中の痛み軽減や姿勢をよくするなど、アンチエイジングの効果も期待できますよ。
目次
1.腹式呼吸でお腹周りの筋肉をフル活用
長く音を伸ばせたり、ハリのある声で歌えると気持ちいいものですね。
上手に歌うには、クラシック、ミュージカル、合唱、ロック、ポップスとジャンルを問わず、腹式呼吸をマスターするのが早道。
腹式呼吸では、肋骨の一番下の内側にくっついている横隔膜(おうかくまく)、背骨に沿って首から腰にかけて伸びている多裂筋(たれつきん)、骨盤の下部中央を後ろから前に通っている骨盤底筋(骨盤底筋)、この3つのインナーマッスルを連動して使います。
1.腹式呼吸で腰痛や脚の痛みが軽減
横隔膜、多裂筋、骨盤底筋と、お腹前面を覆っている腹横筋は、腹部の上下前後を取り囲むように配置されていて、それぞれがつながっています。
その中に大腰筋がすっぽりと入っていて、多裂筋と腹横筋とつながっているので、腹式呼吸のために、これらの筋肉を連動して動かしたり安定させることで、腰痛が軽減する可能性も高いです。
2.背中の痛みの原因のひとつは浅い呼吸
背中の痛みの原因のひとつに浅い呼吸があります。
身体が固く縮まっていると、酸素を取り込むため胸郭を広げようと首や肩周りの筋肉に無理やり力が入り、ひどくなると筋肉が固まってしまうのです。
さらに、背中を反らすはたらきをしている脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)も固まってしまい、背中の痛み引き起こします。
横隔膜を使った腹式呼吸で深く呼吸できるようになることで、このタイプの背中の痛みは解消できます。
2.腹式呼吸で姿勢矯正
腹式呼吸で使う筋肉と連動して大腰筋が安定し、身体が支えやすくなるので、身体に負担をかけることなく自然に丸まりがちな背中や、突き出がちな下腹部などよくない姿勢を矯正することができます。
1.猫背にさよなら
腹式呼吸で効率よく呼吸するためには、筋肉の連動だけでなく肺を覆っているあばら骨「胸郭」を広げて上げることも大事です。
この胸郭が落ちて縮まっていると、肩が引っ張られて前に出て背中が丸まって猫背に。
歌うために胸郭を広げて上げることで、多裂筋を使いやすくなり横隔膜を下げて息を吸うのも楽に。
さらに方が後ろに戻ることで背中を伸ばし筋肉を働かせることが出来れば、大腰筋が安定して姿勢がよくなります。
2.しっかりと脚を伸ばして、よりよい姿勢に
背筋が伸びても膝が曲がっていては、よい姿勢とは言えません。
また、よい姿勢を背中や腰に負担なく保つには、骨盤の中心「仙骨」を立たせることが大切です。
仙骨は多裂筋と脊柱起立筋と骨盤底筋を結び、さらに内ももの筋肉「内転筋」にもつながっているので、内転筋を使うと、そこに繋がっている骨盤底筋も働いて、仙骨が立たせてよい姿勢でいられるようになります。
内ももの筋肉を使うには、歌う前に内ももを軽くたたいてマッサージしてから、膝をリラックスさせながらまっすぐ伸ばして立ちましょう。
3.まとめ
上手に歌うための腹式呼吸で、筋肉を効率的に使って腰痛や背中の痛みが和らいだり、姿勢がよくなったりと、うれしいアンチエイジング効果が!
歌ってアンチエイジングは簡単に楽しくいいことづくめ、腹式呼吸を身につけましょう。