「ボイスパーカッション」をご存知でしょうか?
TV番組などで話題になり一気にメジャーな存在となった感があります。
打楽器であるドラムやパーカッションを人の口で模擬的に演奏する技術で、主にア・カペラグループが多用します。
ボイパなどと省略され、海外ではビートボックスという名前でも呼ばれています。
日本では、ボイパとビートボックスは明確に区別されていませんが、海外ではボイスパーカッションとビートボックスは演奏されるシーンやジャンルで差別化され別ジャンルとしてそれぞれ確立しています。
今回は、ボイスパーカッションをその歴史や成り立ち、演奏シーンなどをご紹介しようと思います。
ビートボックスとどう違うのでしょうか。
目次
◆ボイスパーカッションの歴史
ボイスパーカッションとは、文字通り、ボイス(人の声)でパーカッションの音色を奏でる演奏とされています。
海外ではVocal Percussion(ボーカルパーカッション)と呼ばれています。その歴史は、1960年代のアメリカにまで遡り、ア・カペラ音楽に端を発します。
人の声だけであらゆるハーモニーを創り出し、ストリートや教会でのゴスペルで演奏されたア・カペラ音楽。
人の声だけというデメリットをパーカッションの音を模すという技術でメリットに変えたのがボイスパーカッションの始まりとされています。
◆ビートボックスとの違い
最近ではユーチューバーの登場によってビートボックスに脚光が集まっています。
ビートボックスを演奏するビートボクサーたちはボイスパーカッション(ボイパ)との違いを明確に主張しています。
ビートボックスは80年代のヒップホップに端を発した演奏技術で、ボイパと同じく声で打楽器の音を出します。
ボイスパーカッションとビートボックスの違いは、1960年代のア・カペラ音楽から生まれたボイスパーカッション、80年代のヒップホップ生まれのビートボックスという歴史の違いがひとつ。
さらに、ボイスパーカッションがア・カペラの1パート(パーカッションパート)としてグループ内で演奏されるのに対し、ビートボックスはビートボクサー一人でも完結するパフォーマンスである点も大きな違いです。
ソロパフォーマンスのビートボックス、コーラスグループの一員としてのボイスパーカッションという捉え方が分かり易いでしょう。
◆ボイスパーカッションのためのトレーニング
ボイスパーカッションは、日本ではテレビ番組「ハモネプ」で一躍有名になりました。
そして、その演奏形態が映像で紹介されたために、目と耳でトレーニングの様子が分かるようになりました。
ゴスペル、ア・カペラなどアンサンブルの一要素として認知されたボイスパーカッションは一部のボイトレ教室でも学ぶ事が出来ます。
一方で、ボイスパーカッションのトレーニングをYouTubeなどの映像から独学で学ぶ若い世代も少なくありません。
ビートボックスもHIKAKIN(ヒカキン)やDaichi(ダイチ)といった人たちがYouTubeに投稿しています。
レコードなど音でしか学べなかった音楽が映像付きでトレーニング出来るのは時代のメリットと言えるでしょう。
映像を観ながら自己流でトレーニングを積み、自らYouTubeに投稿する人たちもいて、ボイスパーカッション、ビートボックスのすそ野は一層広がりを見せています。
◆まとめ
ソロパフォーマンスとしてのビートボックスと音楽の1パートとしてのボイスパーカッション。
歴史も違えば演奏形態も異なり、両者は互いのその存在を意識しながら音楽的にも技術的にも成長してきました。
今回はア・カペラとともに演奏される機会の多い、ボイスパーカッションについて概要をご紹介しました。
次回以降は、ボイスパーカッションの具体的なトレーニング方法や有名な演奏動画などもご紹介したいと思います。