生活している私達の周りには音があふれています。
コップを置く音、ドアを閉める音、お箸を使う音、普通の人ならこれらの日常音が気になって仕方ないなんて事はないはずです。むしろ気付きもしないのではないでしょうか。
しかし絶対音感を持っている人にとって、これらの「音」は全てドレミの音階で聞こえてしまい、時にその音によって疲労困憊してしまったりもするようです。
音楽に携わる方にとっては有益な絶対音感ですが、この音感は持って生まれた才能なのでしょうか?
もしくは身につけたいと思えば習得できてしまうのでしょうか?
メディアでも取り上げられている絶対音感について解説していきたいと思います。
目次
天性の才能だと思われていた絶対音感
絶対音感の研究が進んでいなかった時代には、絶対音感は持って生まれた才能なのだと言われていました。
1~2回演奏を聴いただけで、楽譜を見ずに楽器を演奏できてしまう人物がいれば、誰もが「この人は生まれつきの天才だ。」と思っても仕方がないでしょう。
しかし近年、音感に対しての研究が進められるにつれて、絶対音感は持って生まれた感性ではなく、きちんとトレーニングを受ければ誰にでも身につけられる可能性のある感性であることが解明され、絶対音感に対する考え方にも変化が訪れています。
これは実際に行われた研究ですが、2歳~6歳までの24名の子供にピアノの和音を正確に聴き取る学習をしてもらいました。
子供が和音を理解できるようになるまでの期間は子供によって違います。
早い子は1年も掛からずに理解しますし、遅い子は1年半掛かったりします。
しかし最終テストでは24名全員が、理解度テストに正確に答えることができ、さらには24名全員が絶対音感を持っていることが判明したのです。
人間の脳が発達するのは6歳頃までと言われています。
生まれてから6歳までの間に神経細胞分裂が激しく行われ、細胞の数を増やしていきます。
その後はあまり増えることはないのですが、細胞の数が増えれば増えるほど、感じる力や考える力が高くなります。
この貴重な期間に音感に対する正しい学習を子供に与えると、その音の記憶は脳の奥深くにしっかりと定着します。
結果、大人になってからでもその音は忘れ去られることなく記憶に残り続け、常に正しく音を認識する絶対音感になるという様に昨今考えが変化してきているのです。
絶対音感を身に付ける方法
遺伝的要素が関係していない絶対音感は、トレーニング次第で身に付けることが可能です。
その方法は二通りあり、一つは独学。そしてもう一つは教室でのトレーニングです。
もし親御さんに何らかの音楽の経験があるようでしたら、独学も可能です。
教育方法に関しての書籍やCDも販売されていますので、それらを利用すれば自宅に居ながら時間を気にすること無く学習できるというメリットがあります。
実際その方法で絶対音感を身に付けられた音楽家はいらっしゃいます。
もし親御さんに何の音楽経験もないようでしたら、絶対音感の教育が受けられる教室や幼稚園に通う方法の方が良いでしょう。
やはり親御さん自身に音楽の経験が無いと、何が正しくて何が悪いかの判断がつきにくく、間違った方向に進みがちになります。
学習方法を確立している教室で、鬼頭流や江口式と呼ばれている教育を受けるのが最適ではないでしょうか。
まとめ
絶対音感が遺伝や才能によるものではないという研究結果が次第に知られるようになるにつれ、絶対音感を子供に身につけさせてあげたいと願う親御さんは増えているようです。
子供には沢山の才能があります。
その才能を出来るだけ伸ばしてあげる一つの方法として、絶対音感の学習を取り入れても良いのではないでしょうか。
トレーニングを受けられる場所も増加しています。子供の性格や環境に合わせて、適切な方法を選択して下さい。