「オペラ」も「ミュージカル」どちらも歌と音楽を使った舞台みたいだけど、何がちがうの?
「オペラ」と「ミュージカル」の違い、それぞれの観どころや聴きどころ、楽しみ方もご紹介します。
目次
1、オペラやミュージカルって何?
音楽のジャンルの中には、楽器で演奏をする「器楽」と歌で演奏する「声楽」があります。
「声楽」には、演技をしながら歌われるオペラ、演技しながらも踊りと歌をこなすミュージカル、シンプルに歌のみで表現する歌曲があります。
音楽、舞台装置、演技、踊りが一体となって表現される「総合芸術」といわれる、オペラとミュージカルの違いについてご紹介します。
1、オペラはヨーロッパの伝統芸能
クラシック音楽のジャンルに分類される「オペラ」は、西暦1600年頃にイタリアで生まれ、イタリア、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカで発展し、それぞれの国らしい作品があるのが特徴です。
400年の間に、貴族や富裕層、庶民へと流行が広がり、20世紀初頭には一般的な娯楽のひとつとして舞台公演が多くありました。
その後、他のエンターテイメントの種類が増えるに従い、「オペラ」はヨーロッパでも「伝統芸能・文化」の一分野として富裕層向けの格式高いものと見なされています。
2、ミュージカルはアメリカで発展
華麗な演出と軽い内容でウィーンやパリで大流行したオペレッタが、ヨーロッパからの移民によってアメリカに持ち込まれ、ダンスシーンを増やしたり、身近な題材をストーリーに取り入れたものが「ミュージカル」です。
「メアリーポピンズ」「サウンドオブミュージック」などのミュージカル映画や、「ライオンキング」「アラジン」といったディズニーアニメの世界を舞台化したもの、大ヒットを記録し続けている「オペラ座の怪人」「キャッツ」などの演目は、世界中で上演されています。
2、オペラとミュージカルの違い
演技をしながら歌うのが「オペラ」と「ミュージカル」の共通点ですが、違いはどこにあるのでしょうか、観どころや聴きどころの違いから見てみましょう。
1、観どころの違い
「オペラ」は同じ作曲家の同じ作品でも、演出家、指揮者、歌手によって、それぞれの解釈によってまったく違う作品のように表現されるところがポイントです。
演出によって時代も場所も衣装も動きも自由に変えながら、作品の言いたいことを観客に届けられるのがオペラの観どころといえます。
「ミュージカル」の観どころは、華やかな舞台やダンスシーンと豪華なキャストです。
大きな公演では、華やかな舞台セットで大人数のダンサーたちが踊り、芸能人や歌舞伎役者などの有名人も多く出演するため、観客は目を奪われます。
2、聴きどころの違い
「オペラ」は、マイクを使わなくても3000人規模の劇場にも声を響かせ、観客の耳に届かせる特殊な歌い方をします。
舞台の上のひとの歌声が、オーケストラの音を越え、空気を震わせて直接耳に飛び込んでくる感動は、ほかのエンターテイメントでは絶対に味わえません。
「ミュージカル」は誰もが耳にしたことのあるナンバーを、いつでも高いクオリティで聴くことができるのがポイントです。
マイクを通すので、キャストが体調不良などで高音が出ない時には、袖にスタンバイしている控えの歌手がその音だけを歌うなどして対処しています。
3、オペラやミュージカルをもっと楽しむには
「オペラ」や「ミュージカル」がどういうものか、まずはDVDや動画で観てみるのがおすすめです。
前置きなしにストーリーが進む作品が多いので、観る前には、必ずあらすじ読んで、登場人物の名前と(ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バスなどの)声種、どのような人物かを知っておきましょう。
お気に入りの作品、歌手を(「オペラ」では演出家、指揮者も)みつけて、いくつも作品を観ることで知識が深まり、もっと「オペラ」や「ミュージカル」を楽しむことができますよ。
4、まとめ
「オペラ」も「ミュージカル」も歌と芝居、舞踏が融合した作品で、芸術的なのが「オペラ」エンターテイメント性が高いのが「ミュージカル」といえます。
ぜひ一度劇場に足を運んで、「オペラ」や「ミュージカル」の舞台公演を観てみてください。